日常生活や職場で理不尽な人に遭遇することは誰しも経験するものです。
この記事では、言い返す方法や、理不尽に怒られた時の切り替え方法などをとりあげ、理不尽なことへの対応を説明します。
内容
- 理不尽な人に勝つ方法
- 言い返すテクニック
- 心の切り替え方法
- 怒りが収まらないとき
- 理不尽な人の特徴・怒る人の心理
- 理不尽な目に遭いやすい人
- 理不尽に耐えるのはおかしいのか
理不尽な状況に直面すると、怒りが収まらないことが多いですが、適切な対処法を学ぶことで、その感情をコントロールすることができます。
理不尽な人の特徴や怒る人の心理、理不尽な目に遭いやすい人の特性などが把握できれば、無理に理不尽に耐えるのはおかしいという考えを持つことができるでしょう。
理不尽な状況への具体的な対応策と心の切り替え方法を詳しく解説し、建設的な対話を促す実践的なヒントをどうぞご覧下さい。
理不尽な人に勝つ方法【難易度順】
「理不尽」という言葉は、不合理で納得できないことを指し、次の意味が込められています。
- 不合理: 理屈や道理に合わない。理由なく行われる行動や決定だ。
- 不公平: 公平さを欠いた偏った扱い。
- 納得できない: 受けた扱いや結果に対し、理解・受容できない。
こんなとき、私たちは「理不尽」を感じます。
理不尽なことへの6つの対応
理不尽なことへの6つの対応をご紹介します。難易度の低いものから順にご覧いただきましょう。
【オウム返し】理不尽な人に言い返す
必要なスキルや経験:
①基本的なコミュニケーションスキル
②注意深く話を聞く能力
オウム返しは、相手の言葉をそのまま繰り返すことで、相手に自分の発言をもう一度考えさせる方法です。
これにより、相手が冷静になり、自分の言葉を再確認することができます。特別なスキルを必要とせず、誰でも簡単に実行できるため、初めて対処法を試みる人にもおすすめです。
具体例
※太字のところだけでも効果有り
上司「君はいつも遅刻する!」
あなた「私が、いつも遅刻する、と仰ったんですね」
同僚「君は相変わらずしょうがないな」
あなた「私が、相変わらずしょうがない、のですね」
上司「新人をいじめるのはよくないよ」
あなた「私が新人をいじめるのはよくない、ということですね」
部下「先輩の言う通りにしたのに失敗しました」
あなた「あなたは、私の言う通りにしのに失敗したんですね」
相手はどうなる?
オウム返しをされると、相手は自分の言った言葉を再確認します。これにより、感情が冷静になりやすく、自分の発言が事実とは限らず理不尽であることに気づくことは少なくありません。
結果的に、相手は自分の言動を振り返ることになり、あなたへの理不尽さが和らぐことが多いです。ただし、状況に応じて使い方に注意が必要です。相手がさらに感情的になる可能性もあるため、適切なタイミングで行いましょう。
一旦その場を離れる
必要なスキルや経験:
①自己認識力(自分の感情の高まりを自分で気づく能力)
②自己制御力(冷静に対処するために場を離れる勇気)
一旦その場を離れることは、感情的な対立を避けるために非常に効果的です。相手が怒りを爆発させたとき、冷静になる時間を持つことができます。
具体例
相手が感情的になり過ぎていると感じたとき、「少しお時間をいただけますか。後程改めてお話を聞かせてください。」などとしてその場を離れる。
ちょっとした勇気が必要ですが、言い回しを覚えておけば簡単に実行できる方法です。
相手はどうなる?
一旦その場を離れることで、相手の感情の爆発を抑える時間を持つことができます。再度話し合いをする際には、より冷静で建設的な対話が期待できるでしょう。
相手は感情をクールダウンする時間を持つことになり、落ち着いた状態で話し合いに戻ることが期待できます。
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エンパシー(共感)を示す
難易度:中
必要なスキルや経験:
①共感力(他人の感情や視点を理解しようとする姿勢)
②基本的な対人関係スキル
エンパシー(共感)を示すことは、相手の感情を理解し、共感を示す方法です。相手を打ち負かして勝つのではなく、相手の怒りを納めて勝つ方法と言えるでしょう。
具体例
「あなたが残念なのは理解できます」
「あなたが悩んでいるのはわかります」
「そのように感じるのは当然です」
「その状況では不安になりますよね」
「あなたの気持ちを考えると辛いです」
相手はどうなる?
エンパシーを示されると、相手は自分の感情が理解され、受け入れられたと感じます。そのため攻撃的な態度が和らぎ、感情的なバリアが低くなります。結果的に、相手は安心感を得て、対話しやすくなる可能性が高くなります。
【Iメッセージを使う】理不尽な人に言い返す
難易度:中
必要なスキル・経験:
①自己表現力(自分の感情や考えを適切に伝える能力)
②穏やかなコミュニケーションスキル
具体例
「あなたがひどいことを言った」
⇒「(私は)あなたの言葉に傷つきました」
「あなたが間違っている」
⇒「(私は)このほうがよいと思います」
「あなたがいつも私を無視する」
⇒「(私は)いつも無視されているようで辛いです」
「あなたが話を聞いてくれない」
⇒「(私は)話を聞いてもらえないと悲しいです」
「あなたが私の意見を否定する」
⇒「(私は)意見を否定されて、自信をなくしています」
「あなたが急に予定を変更する」
⇒「(私は)予定が急に変わると困惑します」
これにより、相手を非難することなく、自分の感情を表現することができるので、対立を避けつつ自己主張ができます。
相手はどうなる?
相手は責められていると感じにくくなるので、防御的な態度(攻撃は最大の防御)を取ることが減り、対話がスムーズに進行します。
相手は、あなたの感情や意見を理解しやすくなり、誤解や対立を避けることができ、結果的に、双方のコミュニケーションが改善されるでしょう。
【論理的に質問する】理不尽な人に言い返す
難易度:中から高
必要なスキルや経験:
①論理的思考力
②問題解決スキル
③質問力(効果的な質問を投げかける能力)
論理的に質問するとは、相手の発言の矛盾や不合理さを引き出すために、冷静で具体的な質問をすることです。
これにより、感情的な議論を避け、理性的な対話を進めることができます。
これはこちらの理性で、相手の理不尽な怒りを打ち負かして勝つ方法と言えるでしょう。
具体例
上司が「このプロジェクトは全然進んでいない!」と言った場合
「全然進んでいないというのは、どこのことでしょう。もう少し詳しく教えてください。」と質問します。
論理的に質問することで、相手の発言の矛盾や不合理さを引き出すことができます。
論理的思考力と問題解決スキルが求められますが、効果的な対処法です。感情に流されず、冷静で効果的な対話を続けることを目指すことができます。
相手はどうなる?
具体的な質問をすることで、対話の焦点が明確になりますので、問題の核心に迫りやすくなり、解決策を見つけるための建設的な話し合いに移行しやすいでしょう。
論理的な質問を受けることで、相手は自分の発言をふりかえり、論理的な整合性を考え直すことになります。そのため、相手も感情的な議論から理性的な対話へと移行しやすくなります。
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境界線を設定する
難易度:高
必要なスキルや経験:
①自己主張力(アサーティブネス)
②ストレスコントロールスキル
③経験に基づく判断力(状況に応じて適切に対応する能力)
境界線を設定するとは、理不尽な要求や発言に対して、自分の限界をはっきりと示す方法です。これにより、相手があなたの許容範囲を理解し、無理な要求をしないようにします。
境界線を設けることで、相手にこちらの領域に踏み込ませないようにするのです。いわば戦場を作らないようにするので、自分の城を守ることができ、これも勝ちの一つでしょう。
具体例
上司が不適切な言い方をしたときに、「そのような言い方は受け入れられません」と言うことで、自分の限界を相手に伝えます。
この方法には、自己主張力とストレス管理スキルが必要ですが、毅然とした態度を示すことで、相手の無理な要求を防ぐことができます。
相手はどうなる?
境界線を設定されると、相手は自分の行動や発言が限界を超えていることに気づき、相手は自分の行動を見直すことが多くなります。その結果、相手の無理な要求や攻撃的な態度が抑えられることが期待できます。
相手はあなたが明確な限界を持っていることを理解し、より適切な行動を取るように配慮するようになるでしょう。
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理不尽に怒られた時の切り替え
理不尽に怒られたとき、気持ちを切り替えるのはとても大切なことです。おすすめの方法を4つご紹介します。
- 運動をする
体を動かすと、ストレスが減り、気分がよくなります。ランニングやスポーツが効果的です。散歩でも十分効果が期待できます。 - 好きなことに没頭する
好きな趣味やゲームをすることで、嫌な気持ちを忘れられます。 - 信頼できる人に相談する
家族や友達に話すと、気持ちが楽になります。他人の視点でアドバイスをもらえることもあります。 - リラクゼーション
深呼吸や瞑想をして、心を落ち着かせます。静かな場所で目を閉じてみるといいです。
これらの方法を使って、心をリフレッシュさせてみてください。
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理不尽な人に勝つ方法【応用するために】
理不尽さに怒りが収まらないとは
理不尽なことに対する怒りは、自分が不公平に扱われていると感じるときに強くなります。この怒りを抑えるには、まず自分の感情を認識し、冷静になることが大切です。深呼吸をしたり、その場を離れて少し落ち着いたりすることが有効です。
中でも、自分の感情を紙に書き出すのはとても良い方法ですので、ここでは、次のような状況を例に、ご説明しましょう。
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具体的なシチュエーション
・トラブルが発生し、その責任を部長から強く叱責されています。
・あなたの部下は、トラブルの原因を、「課長の指示通りにやっただけだ」として、トラブルの責任は、課長のあなたにあると、既に部長に報告していました。
実際には、あなたは部下に間違った指示を出したわけではなく、部下の理解が間違っていたのです。指示が十分ではなかったと言われればきりがないものの、特別な落ち度があったわけではありません。
ですから、あなたとしては「部下が私に確かめもせず勝手にやった」トラブルなのです。さらに、部下は部長のお気に入りであり、二人が協力してあなたに責任を押し付けたように感じられます。
さあ、それでは早速、ノートに書き出していきます。
紙に書き出す
このような場合、思いや考えを紙に書き出すことで、怒りを整理し、冷静になることができます。例えば、次のように書いてみましょう。気が付いたことをなんでも書いていくのです。
- 部下がトラブルを起こした
- 部長に私が叱責された
- 部下は「私の指示通りにやった」と既に部長に伝えていた
- 部下は責任逃れをし、責任を私に押し付けた
- とても悔しい
- 部下が私を裏切った
- 部長と部下が結託しているように見える
- 私は部下に間違った指示はしていない
書き出すことで、自分の感情や思考を客観的に見ることができ、事実、感情、推測、望みなどが、入り混じっていることもわかります。
そして反省点がみつかったり、現実的な解決策が浮かんでくることが多いでしょう。
- 部下がもっと私に報連相をすべきだった
- いや、私からもっと話しかけていればよかった
- 今後はあの部下には警戒しよう
- 部長に対しては冷静に説明する機会を持ちたい
書き出すことは、理不尽な状況に対する怒りを抑え、建設的な行動に移るための第一歩となるでしょう。
理不尽な人の特徴【怒る人の心理】
理不尽な人にはいくつかの共通した特徴があります。
- 感情をコントロールするのが苦手で、すぐに怒る。
- 自分の都合や気分で、他人に当たり散らすことが多い。例えば、上司が忙しい時に部下に厳しく当たるのは、自分のストレスを他人にぶつけているから。
- 他人の気持ちをあまり考えず、自分の思い通りに物事が進まないとすぐにイライラします。
理不尽な人とは、人間的にはいわば格下の相手と言えるでしょう。こうした相手に怒ると、こちらまで同レベルに落ちることになるから相手にしないと言う考え方もあります。
ただ、不満が自分に残るなら、「理不尽」への対応力はしっかり身につけていきたいものです。
理不尽な目に遭いやすい人
理不尽な目に遭いやすい人にも、いくつかの特徴があります。
- 自己主張が苦手で、他人の要求を断るのが苦手な人がいます。こうした人は、上司や同僚から無理な要求をされても「NO」と言えず、結果的に理不尽な状況に陥りやすくなります。
- 他人に対して過度に親切で、自分の意見や感情を押し殺してしまうこともあります。理不尽な状況に対処するためには、自分の意見をはっきりと伝え、必要なときには毅然とした態度を取ることが大切です。
良い意味で自分ファーストの視点を持つことは、人生の質を大きく変えて行くことでしょう。
理不尽に耐えるのはおかしいのか
理不尽な状況に無理に耐えることは、必ずしも良い結果を生むとは限りません。長期間にわたって理不尽な扱いを受け続けると、ストレスが溜まり、心身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
理不尽な要求や発言に対しては、自分の中に負の感情が生じているはずです。自分の限界を自分自身で認め、必要ならばその場を離れる勇気を持つことが重要です。
例えば、上司が理不尽な要求を続ける場合、転職を検討することも一つの方法です。自分の健康と幸福を守るためには、理不尽に耐えるのではなく、適切に対処することが大切です。
以上の方法を実践することで、理不尽な人や状況に対して効果的に対応できるようになります。自分の感情や意見をしっかりと伝え、冷静かつ建設的な対話を心がけましょう。
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理不尽な人に勝つ方法【まとめ】
- 理不尽な状況とは、不合理、不公平、納得できない状況を指す
- オウム返しは、相手の言葉を繰り返し、冷静な対話を促す方法
- 一旦その場を離れることで、感情がエスカレートしていくことを避ける
- エンパシーを示すことで、相手の感情に寄り添い、対話を円滑にする
- Iメッセージを使い、自分の感情を穏やかに伝えることで対立を避ける
- 論理的に質問することで、相手の発言の矛盾を引き出し、冷静な対話を促す
- 境界線を設定し、自分の限界を明確に示すことで無理な要求を防ぐ
- 運動、趣味、相談、リラクゼーションで気持ちを切り替える
- 感情を書き出すことで、怒りを整理し、冷静になる
- 理不尽に耐えるのではなく、適切に対処することが大切
理不尽な状況に直面することは避けられないかもしれませんが、適切な対処法を知っていることで、その影響を軽減し、心の平穏を保つことができます。
理不尽な状況に耐えるのではなく、自分の感情や意見をしっかりと伝え、冷静かつ建設的な対話を心がけることで、健康と幸福を守ることができます。日常の中でこれらの方法を実践し、理不尽な人や状況に対しても冷静に対処していきましょう。